慰謝料

離婚の慰謝料とは

離婚時に発生する「慰謝料」とは、離婚によって生じた精神的苦痛に対して支払われるお金のことです。
少し難しく表現すると、精神的な損害に対する賠償金という位置づけになります。
ただし、慰謝料は離婚時に必ず発生するものではありません。
慰謝料が請求できるのは、離婚の原因となった有責配偶者に対して、被害を受けた側の配偶者が請求する場合です。
しかし、どちらが一方的に悪いわけではないケースでは、慰謝料を請求できないこともあるため、注意が必要です。

離婚の慰謝料が請求できる場合

離婚時に慰謝料を請求できるケースは、主に次の2つに分けられます。

①離婚の原因となる行為

浮気や暴力など、離婚に至る原因となった配偶者の行為によって生じた精神的苦痛に対する慰謝料です。

②離婚そのものに対する慰謝料

配偶者との離婚によって配偶者の地位を失い、精神的な苦痛を受けた場合に請求できる慰謝料です。

特に、1つ目の「離婚の原因となる行為」に基づく慰謝料について、裁判所で慰謝料が認められる典型的なケースには以下のようなものがあります。

• 浮気・不倫（不貞行為）
• 暴力、悪意の遺棄
• 結婚生活の維持に対する不協力
• 性行為の拒否

また、離婚に至った原因が自分にある場合は、逆に相手から慰謝料を請求される可能性もあります。
一方、配偶者の浮気が原因で離婚した場合には、浮気相手（不貞相手）に対しても慰謝料を請求することができます。
ただし、配偶者と浮気相手の両方から二重に慰謝料を受け取ることはできません。

離婚慰謝料の相場

離婚慰謝料の相場はその原因によって大きく異なります。

浮気・不倫	100万円～500万円
悪意の遺棄	50万円～300万円
DV(暴力)	50万円～500万円
性行為の拒否	0円～100万円
突然離婚を言い渡される	0円～100万円

浮気やDVなど深刻な問題が原因の場合、慰謝料は最大で500万円に達することもあります。
一方、性行為の拒否や性格の不一致といった理由による場合は、慰謝料は比較的少額になることが一般的です。